新しいページ 1

10月号

　第83号

発行日 H15.10.1

発行者辻中医院

編集責任者　林　一　博　

　
ＴＥＬ　０５８４（６６）２６００

秋の花粉症と結膜炎

今や「国民的アレルギー疾患」と言える程になった花粉症！秋の９月～１０月にかけては、イネ科や、雑草類（ブタクサ、ヨモギ）などの花粉が飛散する時期です。この花粉が原因でアレルギー性鼻炎などを引き起こす花粉症は、スギ、ヒノキ花粉の飛散時期である春に次いでついで秋に多く発症すると言われています。

ブタクサ　キク科・ブタクサ属	ヨモギ　キク科・ヨモギ属
アメリカからの帰化植物で、戦後急速に繁殖した。高さは0.6～1ｍほどで、緑色の花をつける。河川敷や空き地によく見られる。	日本古来の植物で、山野や道端に生える。秋にかけては1ｍほどに成長し、黄褐色の花をつける。 ※その他　カラムシ／カナムグラ

秋の花粉症の特徴

抗原となる植物

キク科の植物は丈が低く、花粉が風に乗りにくいため、木本植物のような定点による正確な花粉飛散観測は難しい。治療はスギ・ヒノキ科花粉症と同様に行う。花粉飛散が局地的なため、抗原回避が比較的行いやすい。また、秋の花粉症を単独でもつ患者は少なく、スギ花粉症などを重複している場合が多い。

花粉症の症状

　花粉症は、花粉が鼻、口、眼などの粘膜に吸着したのち、その場所で反応を起こし、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、眼のかゆみ、頭が重いなどの症状（アレルギー性疾患）を引き起こします。

　

症状が出るしくみ

　人の体には、花粉などの異物（抗原）が入ってくると、排除するために、その抗原を攻撃する抗体を作ります。特にアレルギーに密接に関係する抗体が、ＩｇＥ抗体です。一度できたＩｇＥ抗体が人の粘膜表面にある肥満細胞に付着し、再び同じ抗原が入ってくると、肥満細胞上にある、ＩｇＥ抗体と抗原が反応（抗原抗体反応）し、肥満細胞からヒスタミンという物質を放出します。このヒスタミンが、くしゃみ、かゆみなどの症状を引き起こすといわれています。

検査方法

　アレルギー性疾患には、血液中にＩｇＥが増加することから、検査方法として総ＩｇＥ濃度を調べる方法と、特定の抗原（アレルゲン）で増加するＩｇＥ抗体量を調べる方法があります。それぞれを調べることにより、アレルギー異常とアレルギーの原因物質を突き止めることができます。その他にも、アレルゲンと思われるエキスを直接皮膚に注射、および垂らしたり、貼り付けたりして、腫れや発赤を調べる皮膚反応テストなどがあります。

アレルギーには１型から４型まで分類されますが、主に結膜（一部には角膜）に生ずる結膜炎は１型アレルギー反応によるものです。主な結膜炎は以下のように分けられます。

結膜アレルギー

↓

アレルギー性結膜炎

アトピー性角結膜炎

春季カタル

巨大乳頭性結膜炎

　　　　　　　　　　　　　　　↓

季節性
アレルギー性結膜炎

通年性
アレルギー性結膜炎

このうち花粉症は季節性アレルギー性結膜炎にあたります。

季節性アレルギー性結膜炎

ほとんどの場合花粉が原因で、特定の季節にのみ起こり、その時期が過ぎれば自然におさまります。とりわけ春先に生じるスギ花粉症に多くの人が悩まされています。
ただ、スギだけでなくヒノキやカモガヤなどのイネ科の雑草、ヨモギ、ブタクサによる花粉もあり、年間を通じていろいろな花粉が原因として挙げられています。こうした花粉症の患者が全国で約２０００万人もいるといわれています。

通年性アレルギー性結膜炎原因としてはハウスダスト、ダニ、真菌類、ペット動物(犬・猫)の毛、垢(あか)などがあります。

アレルギー性結膜炎の自覚症状は

「眼の激しいかゆみ」が最も多く、次いて「充血、流涙、めやに、まぶしい、眼がゴロゴロする」といったものが続きます。他のアレルギー性疾患との合併例では「くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、せき」などを訴えることもあります。

治療方法

冶療には、一般的に点眼剤が使用されます。抗アレルギー点眼剤とステロイド点眼剤が主体です。抗アレルギー点眼剤は効果が現れるまでに2週問ほどかかります。即効性は期待できませんが安全性は高く、これまで重篤な副作用は報告されていません。　　

一方、ステロイド点眼剤は強力な消炎作用、抗アレルギー作用を有していますが、緑内障、角膜ヘルペスの再発、真菌感染などの重篤な副作用も引き起こすことがあるので慎重に使用しなければなりません。ドライアイ(涙不足、あるいは涙の質の異常)があると眼の洗浄機能が悪くなり、アレルギーの原因物質が長く眼に接触しアレルギー性結膜炎が悪化します。そのためドライアイがある人には、その治療(人工涙液の点眼)を同時に行うこともあります。

どの点眼も決められた回数を守らないと効果が充分に現れなかったり、副作用が出たりするので注意が必要です。

　なお、点眼剤だけで効果が不充分な場合は内服薬をしばしば併用します。アレルギー性鼻炎を合併している人は点鼻薬で眼症状が軽減することもあります。

　しかし、薬剤に頼るばかりでなく、白分で少し工夫するだけでも症状をずっと和らげることが可能です。アレルギー性疾患の予防にはアレルギーの原因を除去したり、回避したりすることが大切です

例えば

☆ 花粉が多く飛びそうな日は外出を控えましょう。

☆ 外出時に眼鏡やマスク、帽子を使用するのも良いでしょう。

☆ ハウスダスト、ダニに対しては部屋をよく掃除し風通しを良くしましょう。

☆ 床をフローリングにし、埃(ほこり)を取り除きやすくするのも効果的です。

☆ 寝貝のカバーは頻繁に洗濯し、猫などのペット動物を室内で飼うのは控えましょう。近年は空気清浄器を設置する方も増えてきました。

　最後に、はっきりした季節性アレルギー性結膜炎の人は症状が出る約1カ月前からアレルギーに対する治療を開始しておくと、例年に比べ症状が軽減することもあります。詳しくは、かかりつけの眼科医と相談してください。

こんにちわ。3月にこちらに就職させていただき、もう半年が経とうとしています。

やっと、皆さんに名前を覚えてもらえたところですが、このたび、9月20日に入籍いたしまして、｢樋江井｣から、「山形」に姓が変わりました。式は、11月にハワイで挙げる予定です。そのときは、10日ばかりお休みをいただきますが、この先も、まだ当分はこちらに勤めさせていただく予定ですので、院内でお話しする機会がありましたら、“家庭の知恵”など、教えていただけたらと思います。今後とも、宜しくお願いします。