最後の印象

院長 辻中 まさたけ

今年もなんとかかんとかお盆を迎えることができた。来年も果たして迎えることができるのだろうかというくだらない疑問が湧いてきてしまう。いつかは迎えることができなくなるのは必定であり、考えても無駄なことなのに・・・。

先日の床屋さんへ行った時のことである。今日は通夜があるので大変である話を床屋さんが頭を刈りながら僕に話しをし、そして、最後に面白いことを言った、「死に顔は見たくない」。死に顔を見ると、亡くなった方の生前の思い出の中に最初にその顔が出てくるので何ともいやな気分になるというのである。なるほど、と思った。

テレビ番組の討論でも、よく番組最後のところで司会者の制止を振り切って意見を述べる方がいる。最後の意見、印象がどれだけ大事であるかを象徴している。たしか心理学でも云われている話である。

私が死んだ時、死に顔を家族以外に見せることはない。

 
 実りつつある我が散歩道の稲穂。何気ない
 光景だが、じっくり見ると本当に美しい。

 平成22年8月15日
 
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