行方不明

院長 辻中 まさたけ

長男と自転車で墨俣の桜を見に行ってきた。少し遠い道程ではあったが、親子の絆を強めるよい機会であったし、寒く厳しい冬が去って春の到来を告げるソメイヨシノの花満開状態ははとても美しく、思わず来年も元気で観られるだろうかという情念が湧き出たほどだ。

我が息子も中学3年生となり、知らぬ間に身長も伸びて見下ろされる関係になっているし、私と違って持久力もあり心臓が3個ぐらい体内にあるのではないかと感心することがある。親子喧嘩をして負かされるのもそう遠い先のことではあるまい。

都市伝説ではないが、一部の開業医の子供が高校入学時より世間から行方不明になることがある。そして、私立大学の医学部を出てしばらくしてから地元の業界に戻ってくる。そういえばうちの長女も昨年から行方不明になっている。来年は長男もそうなるのだろうか?

最近になって、私が死んだ父親に対して行った最大の親孝行は現役で国立の医学部に入学したことであるということを確信した。

 
 
 

 平成22年4月25日
 
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