数人の患者さんから旬のものとして「つくし」をいただいた。そういえば子どもの頃によく堤防端に行き、「つくし」を袋がいっぱいになるまで鼻をたらしながらとり、帰宅した後に新聞紙の上で、はかまといわれる部分を廊下の陽の当る所で取っていた。今よりもやさしく温かい日差しと、まるで背中を丸めた猫がでてきそうなのんびりとした時の流れだったような気がする。
わたしのいつも歩く散歩道(個人的に徘徊の道と呼んでいる)は日本の季節がてんこ盛りである。3月の中旬には、シダ科のスギナにくっついて出てくる胞子「つくし」軍団が大量発生していた。日を追うごとにスギナ本体やその他の雑草が芽を出してきて、「つくし」軍団は緑の絨毯のなかに埋もれていった。
「また来年にでもお会いしましょう、お元気で!」
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