決断

院長 辻中 まさたけ

三次元光干渉断層計(OCT)を当院に購入した。現時点で岐阜県すべての病院や医院等で3台目という代物だ。昨今あるいは将来的な医療とくに眼科をとりまく情勢は厳しく、非常に高価な医療器械を購入するのは決断が求められる。

この機械による検査代は保険庁に申請をすれば、特例として保険外診療として患者さんに4,000円ぐらいの負担を窓口で請求する混合診療が認められている。しかし、実際にはそんな負担を強いることはできない。眼底写真代の僅かな負担のみでする予定であり、とても採算がとれるものでもない。つまり、当院の医業経営を圧迫する可能性が非常に高い。では、なぜ購入する決断をしたかというと、眼の奥の黄斑部という非常に大事な部分を0.005ミリの単位で観察することができ、さらには緑内障による神経線維の傷み具合を経過観察するのにうってつけだからである。今年の秋に京都で行われた大きな学会で米国人が発表していて、それを生まれて初めて同時通訳というもので聴講したうえで購入する決断をした。ただ残念ながら最新の検査機械であるために現段階で解読本がなく、得られたデータの評価の判断に戸惑うこともある。

患者さんにできるだけ有益なことを提供したい気持ちが決断させたのだろう。妙な自負心は火やけどの元かもしれないが、これぐらいの決断は甘受できる。しかし、あたまに断腸の思いの付いた決断は嫌である。そこはかとなく、そこはかとなく、がいい感じである。

当院にてのOCT所見

 
 
 
 平成19年12月24日
 
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