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今回は、今度、新規開業をされるA先生にバーチャルインタビューをしたいと思います。
A先生、今回新規開業をなさるとある医療関係者からお聞きしましたが、準備はいかがですか？
「いやいや、それがなかなか大変でして・・・、医師会への加入、お役所への申請などいろいろと思ったより大変ですよ。」
医療機器メーカーは、いいことしかいいませんからねー。ところで、何故また開業なさるお気持ちになられたのですか？
「私は公立病院で部長として勤務医をしてきたのですが、そろそろ引き際かなと思いまして。」
と、いいますと？
「大学のほうのお世話になった教授は退官されて新しい教授が他大学から来られたし、病院事務方からの注文は多くなるわ、公務員倫理法でいろいろと厳しくなるわ・・・、そこへ、業者からいい物件を紹介されまして。」
なるほど。
「開業すると転勤はないし、収入も上がり生活ももっと良くなると思いまして。家族も賛成してくれました。」
先生は、医院と自宅は別ですか？
「ええ、そうですが・・・」
私のところは医院と自宅がいっしょになっていますので、気分転換もなかなかうまくできずに大変です。開業すると正直少し見栄を張らないといけないところもありますし、地域医療などの責務もかなり増えてきます。また、患者さんの病気だけではなく、どうしてもその方のいろいろなことを考えてあげなければならないことも多くなります。できるだけ、窓口負担を少なくしてあげることも大事ですし、より長期的な診療計画というものも求められます。また、病院勤務だと病院と患者さんの信頼関係が、開業している私個人の資質と患者さんという、よりダイレクトな関係になります。あの病院で診てもらったのではなく、いわゆるあの先生だからというように、です。また、同じ避けられない病気の悪化が起きても患者さんは、「あんな大きな病院でも起きたのだから仕方がない。あの医院だから起きた。」というように考える傾向があるように思います。私自身もそんな風に考える傾向がありますから（笑）。ただ、実際はより慎重に注意して何事もしているのですがね。よい人材の確保、医業としての経営も考えないといけませんし・・・。保険診療も実情はけっして出来高払いではなく、大きな声では言えませんが、いろいろと制約的なところもあります。さらに、これから財政改革の影響でもっと大変になるかと思います。まあ、これからイバラの道ですが頑張ってくださいね。私も「医療の本質は医師と患者さんの信頼関係が基本である。」を肝に銘じて、日々精進しながらできるだけ地域医療に頑張って貢献していきます。
「おたがい、やるっきゃないですね！」
＊このインタビューは、すべてノンフィクションです。あしからず。
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