2005年 〜時の流れ〜

院長 辻中 まさたけ

最近、近所で泥棒の被害にあったという話をよく耳にします。近くの小学校では不審者の学童への声がけが多発しているといいます。私は高校あるいは大学時代には、アパートに一人住まいをしていましたが。へたに鍵をかけると周りから「我々を信用していない。」感じで見られた風潮があり、施錠等はあえてしなかったものです。世間では人の命があまりにも軽んじられている凶悪犯罪が多発するとともに、なかなか解決せず、それにあわせて警察官の増員さらには新法の制定をまねき、管理社会が変な意味で加速し、生活に息苦しさを感じます。また、最小の共同体としての「家族」の働きはますます失われ、高齢者などの弱者には厳しい世の中になりつつあります。世間では、小中学校の父兄と先生方の力関係からわかるように、義務をおろそかにして権利ばかり主張している人々が横行しています。マスコミでは、魔女狩り的な報道が多くみられヒステリックな感がします。人々に時間的、精神的、金銭的余裕が少なくなり、あいまいさが存在するというホッとする場面が少なくなり、乾いたトゲトゲした世の中になってきているような気がします。世界情勢は「宗教的、民族的正義」あるいは「平和」という大義の下で多くの人々が殺しあいます。日本においても、憲法の改正問題を含め、右傾化してきています。

しかし、このような社会状況下で、震災等の被災地でのボランティア活動、社会福祉に携わろうとする若者の増加などに、私は一筋の光明を感じます。

2005年、今年こそは、「人という生き物がより重く感じられる年」でありますように祈念してやみません。

 
 
 
 
 
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