博士論文

院長 辻中 まさたけ

早いもので、岐阜大学医学部大学院法医学講座の社会人選抜に入学してから3年が過ぎ、卒業まで残り半年である。卒業する前に論文を書き学位の申請をすると、医学博士号を授与されることになる。博士論文には副論文2題、主論文1題が必要であり、副論文2題はすでに医学雑誌に掲載された。そして、主論文1題はやっと完成し、雑誌からの掲載の返事待ちである。医学雑誌には掲載されるかどうかに色々なグレードがあり、今回は敷居の高い雑誌に掲載を試みたので、卒業までに間に合うかどうかやや不安である。

医学博士号は日本には、現在、甲種と乙種の2種類がある。甲種は大学院を卒業したうえでの学位、乙種は大学院には入学せず研究生として長年かけて論文を仕上げての学位ある。乙種は日本独特の博士号で、論文博士とも言われており、海外の教育者からは、乙種の博士号に対して、「大学院を出ていないのになぜ博士なのか?」といわれるらしい。

私は、社会科と国語が本当に得意な文系で、数学はアニメのハクション大魔王みたいに大の苦手であった。東大の文三に行きたかったのであるが、家の事情で医学部に行くことになった。それで、当時の共通1次と2次試験の関係で文系に有利な香川医科大学に入学した。昨年、香川医科大学も国立大学の統廃合の関係で香川大学医学部になった。私の医学博士号は甲種になるのであるが、最終学歴も岐阜大学卒になる。なんとなく母校がより遠くに感じてしまう・・・。

大学院に入学している間、様々な勉強、学会等で患者さんに対しておろそかになった部分もあったと思う、私自身も色々な意味でしんどくて途中退学を考えたことも何度かあったのが本音である。船戸の兄や姉のサポートを無駄にしたくない、辞めるのは何時でもできるからできるだけ踏ん張ろうと思い、ここまできた!卒業して医学博士号をもらったとき、おおきなシャンパンを体に浴びながら乾杯するぞ!!父の元三が乙種の医学博士号だったので、まずはひとつだけ父親を上回ることができる。亡くなった父親は、私の目標であり永遠のライバルでもある。愚痴をこぼしてもいい、とにかく、「継続は力なり。」痛感している。

=お大事に=

 
 
 
 
 
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