パブロフの犬

院長 辻中 まさたけ

高校時代に名古屋で下宿生活していたが近くにセルフうどんのお店があり、100円の素うどんをお金がないのでよく食べに行っていた。きざみネギはもちろん、かつおぶしをとことん山盛りにして、下のうどんが見えないくらいにいれて胃袋を満たしたものだ。さらに、それだけでは味が単調になるので机の上に置いてある七味唐辛子を1本丸ごと入れて、ヒーヒーと大粒の汗をかきながら食べることもあった。

先日テレビを見ていたところ超激辛の麻婆豆腐を食する番組がやっていたが、今の寒い時期にも関わらず、見ているだけで、私にも大粒も汗が吹き出してきた。いわゆる「パブロフの犬」という条件反射である。ベルを鳴らしてから犬にエサをやっていると、ベルを鳴らしただけで犬によだれが出るようになるという話である。梅干しを見ただけで口の中に唾液が沢山でてくるのと一緒で、一種の学習行動ではあるが、動物は以前の経験に基づき勝手に反応してしまうことである。

年を取ってきて知らぬ間にいろいろなことを経験してきたので、知らぬ間に「パブロフの犬」がいたるところで私にも出ているに違いない。

平成31年1月22日

 
 
 

 
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