摩天楼

院長 辻中 まさたけ

電子カルテシステムへの移行に伴う院内工事に乗じてニューヨークへ旅してきた。着いて思ったのがとにかく日本より寒い。透き通った、冷たいと感じる寒さであった。郊外はまだまだ危ないところがあるそうであるが、マンハッタン地区は治安がすこぶるよく、夜間でも安心して外出できる感じであった。また、Uberというアプリで呼ぶ白タクみたいな配車システムが発達していてとても重宝した。一方で、イエローキャブの愛称で親しまれているニューヨークのタクシーはドライバーによって当たり外れがあり、少々難ありであった。一方で、移民が多くいるのか英語よりもスペイン語の「オラー」という挨拶の言葉がよく耳に入った。

さて、エンパイアステートビルをはじめとする摩天楼と呼ばれるマンハッタンのビル街はテレビの映像で見るより思ったよりこぢんまりとしていた。近代に見世物みたいに巨大な建物群を造成したアジアの都市でみるものより、機能的なそれは穏やかで夜のイルミネーションも控えめであった。さらに、テロで破壊されたワールドトレードセンターの跡地であるグランドゼロも訪れたが、跡地のメモリアルとなっているプールの大きさから考えても世界に配信された衝撃的な航空機が突入した映像から想像したよりも小さな感じがした。それは世界の金融の中心であるウオール街にあるニューヨーク証券取引所も同様であった。

人は映像で見たものを、色めがねをかけ想像で現実よりインパクトの強い非現実的な事象に置き換えているのかもしれない。

平成30年2月18日

 
 
 

 
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