岐阜県の片田舎で親父の跡を継ぎ、眼科の開業医として、なんとか、かんとかやっております。月日のたつのは早いもので、卒後京大眼科医局を経て開業して、もう10年になりました。諸般の事情により、はやく開業したためか正直申し上げ、日常診療が少々マンネリにおちいってきております。そのため医療をとりまく環境はきびしさを増してきておりますが、手術の件数を抑えそして診療コマ数を少なくし、岐阜大学大学院社会人選抜として法医学教室に勉強にいきながら海外の学会に出席したり、地元の警察医をしたり、消防署の救急ボランティアに参加したりしております。先日もオーストラリアの国際法医学会で、以前に香川の教授でいらっしゃいました恒成熊本大法医教授とひさしぶりにお会いしました。
ところで、副業として?漁師さらにはウナギの養殖をしております。私の住んでいるところは、輪中地帯といって川に囲まれた水の豊かな農村地帯です。車で約5分の揖斐川に冬の夜に行き、東シナ海から黒潮にのってはるばる日本にやってくるウナギの赤ちゃん、通称シラスを捕まえに行きます。防寒着を身にまといながら発電機にライトを接続し、光にシラスが集まる習性を利用して網ですくいとります。
満潮の1時間前から漁は開始しますが、大潮のときは特によくとれますし、風が吹けばさらによくとれ、逆に雨が降ったり雪解け水が出たりするとなかなかとれません。5年ぐらい前までは非常に高額に取引されていましたが、今は外国で大がかりなとり方をするため、暴落しております。ちなみに日本では許可証がないと密漁で捕まりますのでご注意ください。詳しいことは成書にゆずりますが、ウナギの繁殖をふくめ生態はまだまだ未知の部分が多いため、養殖をすることによりなにかネイチャーに載る様な発見はないかと思っております?
こんな迷医も世の中にいていいのではと開き直ってなんとか、かんとか開業医をやっております。
最後に、わが母校香川医大出身のドクターにいまだ地元でお会いした事がないのは、残念です。後輩の先生方、全国にはばたいてください、ご活躍を期待しております。
国立大学の統廃合にともない我が母校、香川医科大学も香川大学医学部に変わります。
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