伊吹山

院長 辻中 まさたけ

院長 辻中まさたけ 前日に夜遅くまでビール中ジョッキ6杯空けたにも係わらず、朝起きて一人で伊吹山に登ることを決意した。 伊吹山は岐阜県と滋賀県にまたがる標高1337メートルある日本百名山のひとつであり、元気まっさかりである中学一年の夏に学校の行事で一度登ったことがある。 とても暑くて‘汗びっしょり’となり、被っていった白い学帽が、夏休みが終わって通学で被ろうとしたらカビが生えていたのでビックリしたのを覚えている。 滋賀県側の登山口に車を停め、やや二日酔いの身体に気合いを入れて登り始めた。その日はやや暑い快晴で、多くの登山者が蜜に群がる蟻のように山頂を目指していた。 本格的な装備をされている人、どう考えても3合目ぐらいまでだろう登山のスニーカーを履いてきたカップル、2歳ぐらいの子どもを背負って登ろうとしている屈強な感じのお父さんを中心とした家族集団、いろいろな山人間たちを見ているだけでとても楽しくなった。 私は男子大学生2人の後ろを歩くことにした。早いペースで歩く2人ではあったが、二日酔いの身体に鞭をうち頑張って後ろを付いて行ったのは話す内容がとてもおもしろかった為である。 唾を飛ばしながら二人して、いかにロスを少なくして楽に登るにはどのように歩けばよいのか、という議論を戦わせ、そしてそれをその場で実践している。 いろいろな手法を試みていたが、後ろからそれを眺めている私は、それならば車でどうぞ、であるし、そんなにしゃべる事が疲れる一番の要素であるのではないかと助言したくなった。 しかし、どうせそんな議論をしながら登るのが好きな青年たちだろうと思い、BGMとして楽しんでいた次第である。 伊吹山登山道は1合目の表示が出るまでがとても長く、ドライブウエイーを通って車で行くことができる8合目というのは、実際は9合目ぐらいの山頂までの高さである。 6合目を過ぎると山頂まではそれほど遠くは感じなかったが、元気な子ども達のはやいことと、 途中で70歳位の方が短パンTシャツ姿でランニングシューズを履いたラフないでたちで発泡酒片手にドンドンと登山者たちを追い抜いていく姿に敬服してしまった。 また、登っている途中でいろいろな人々と挨拶やお話ができてとてもよい体験ができた。 なんとかかんとか、登山口より3時間半で山頂に到着してお腹のすいた私は850円の高いカレーライスを食べたが、レトルトではなくとてもおいしかった、そして、心も体も幸福感に包まれた。 結論! 山登りは山頂を目指しなんとかかんとか登り切り、一息入れてそこから下界を眺めおろし疲労の中での自己満足感にひたるということが、登りきったことで与えられる大きな楽しみである。 しかし、登る途中での一期一会的な多くの事柄も山登りのおおきな楽しみの一つである。 人生もしかり、最後の目標も大事ではあるが今も大事。 補足:今、人生の何合目に来ているのかは分からない。でも6合目を過ぎるとわりと頂上までは近いだろう。

最近、ある町で私のダルメシアン頭が少し話題になっていると聞いた、光栄である。

 
 
 

 平成24年10月21日
 
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