マーライオン

院長 辻中 まさたけ

妻とシンガポールに行ってきた。 チューイングガムの持ち込みが禁止されているなどきれいな街として有名なところである。 シンガポールは東京23区位の小さな広さで、そこには450万人位が住んでいる人口密度の高い1960年代にマレーシアから独立した新しい都市国家である。 訪れてみると、華僑(昔にそこの地にやってきた中国人)、マレーシア半島からのマレー人、インド人、そしてアラブ民族など多種多様な民族が、多様な言語や宗教、 そして生活習慣を持ち込んだ複雑な混沌とした国家であった。世界各地で見られる民族紛争がシンガポールで起きないのは政府の政策が上手くいっているのはもちろんだとは思うが、 あまりにも多種多様すぎるせいではないかと思うぐらいである。

ところで、シンガポールにもう一度行きたいかと聞かれると答えはノーである。 街はそんなにきれいではなかったし、逆に日本の品川の方が断然きれいであった。 また、歴史がなくラッフルズ卿上陸地点の像やマーライオン像などを造ったりして、なんとか観光の目玉にしようとしすぎである。 ちなみに世界3大がっかりといわれるマーライオン像は工事中であった。

ただ、シンガポールの国籍の人々は最低でも3カ国ぐらいの言語を話すことができることに驚いた。 そして、肌の色が白かろうが黒かろうがまったく物おじせずに接することができる。このことは島国根性がある我々日本人も見習わなければならない。 最後に、日本からはるか彼方の赤道直下に近いシンガポールまで太平洋戦争で日本兵は進軍したことは驚嘆に値する。 戦争は良くないがご先祖様たちの日本を思った気持には敬服する。 タイからマレー半島の蒸し暑いジャングルの中を御国のことを思って自転車でシンガポールまで重い荷物をもってやってきたのだから・・・。我々はご先祖の国を思った気持ちを忘れてはいけない。

 
 
 

 平成24年7月24日
 
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