年の瀬も押し迫った頃に仲の良い先生方と大津市のはずれにある山々に囲まれた料理屋さんへ熊肉を食べに行ってきた。しゃぶしゃぶみたいな感じで食べさせてくれるのだが、脂っこいように見えて実は全然脂っこくなかった。さらに、ゴムマリみたいな食感でどこまで噛んだ後に呑みこんでいいのやらと、焼き肉屋さんでホルモンを食べる時に近い感じがした。不思議な獣肉であった。
お店の主人は、冗談まじりにくまのプーさんをイメージして、だしには蜂蜜を隠し味として入れてある、といった。それがまた非常にマッチしているのであった。
ところで、知り合いの猟師によると、一頭分の熊肉は僅かその一頭分の熊の胆と同じぐらいの価値しかないと昔から云うらしい。なんでも熊の胆には様々な効能があるらしい。
そんなことがある訳ないと都会に住む多くの現代人は考えると思うが、今の健康サプリメントや健康用品の通販などのコマーシャルをみると、昔も今も不老長寿への思いは私を含めた人間に仕組まれた性のような気がする。
紀元前に今の中国に強大な国家を築きあげた秦の始皇帝は世界中を不老長寿の薬を探し続け、挙句の果てに水銀をその薬と信じて飲み続け、水銀中毒で亡くなった。
平成24年も月鍋に行くことができたら、「これ、幸い」である。
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