国民性

院長 辻中 まさたけ

暇にまかせて帰国間近のタイの空港でこの文章を打っている。 レイトサマーという名目で妻と5回目の訪タイである。本当はシンガポールに行きたかったのだが、ガムの持ち込みが禁止されているなどをネットで垣間見て懲りずにタイへ、である。

久しぶりのバンコクではあったが欧米人の観光客が少なくなり中国語がデパートなどでは凄まじい勢いで飛び交い、順番などはおかまいなしの「プラチナカードでド・ドーンといきましょう」攻撃を非常によく見掛けた。広東語を聞かなくても何故か見ただけですぐに日本人とは違うと分かった。相手もそうであろう。 一方、バンコク市内のホテルでは「台湾から来たのですか」と、スタッフによく尋ねられた。ところで、日本は新聞などではよく格差社会などといわれるが、本当だろうか? お隣のお国は共産主義のケ小平が唱えた、「まず富める者から富めよ!」の大号令の下にとんでもない格差社会を生み出している。タイでも聞いた話では、コンビニでは1時間50円で一生懸命働いている。町にはお乞食さんがいる(地元の方は近隣諸国からきた人々だと主張していた)一方で、世界のベスト10に入るようなお金持ちの方もおみえになる。でも、貧しい人々でも人を羨やんだり妬んだりすることがない。 日本人は大金持ちになった人がいると、世間はどうかするといろいろと荒を探して下に引きずり込もうとしていないだろうか?タイの一般の人々は金銭的に本当に貧しい。でも雨季の今でも屋台のビニールでできた軒下で雨宿りしながら楽しく笑顔でしゃべっている、心は富めているみたいである。微笑みの国、タイに教えてもらった「笑顔」である。

日本では革命は格差社会がないから絶対に起きないと思う。そして。私も含めて最近の日本人は総理大臣を偉いとはもちろん思わないし、我々庶民と大して変わらないと思っているのではないだろうか?なんやかんやといっても一億総中流階級である。

笑顔はタダです、といった経営者がいたのをふと思い出した。 おっと、そろそろ搭乗時間だ。笑顔を忘れかけた日本に帰るか・・・
平成23年9月28日現地時刻23時45分
(注;帰国後に少々修正しました。胃腸風邪を患ったのをいいことにしばらく放置。 平成23年10月12日)

 
 
 

 平成23年10月12日
 
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