便潜血検査と大腸がん

検診で行われる検査に便潜血検査があります。便に血が混じっていないかを検査するもので大腸がんの発見のために行われます。大腸がんは増加傾向にあり、2017年のデータではがんによる死亡数の第2位です(1位は肺がん)。

便潜血検査は1日1回ずつ2日間続けて便を提出する方法が一般的です。便潜血の検体は、数日間は安定していますので必ず2日続けて採取しないといけないわけではありません。保存する場合は冷蔵庫がよいと思います。2回のうち1回でも陽性であれば陽性と判定されます。便潜血検査2回法の陽性率は約5%であり、陽性者の約2%に大腸がんがみつかります。1000人に便潜血検査をすると約50人が陽性となり、50人のうちの1人に大腸がんがみつかるといった感じです。

便潜血が陽性となる良性疾患には、痔、大腸憩室、ポリープなどがあります。痔は出血の原因となる病気ですが 便潜血の原因が痔と思っていたら痔の奥に大腸がんがあったという場合があります。痔のある方で便潜血陽性の時、痔のためと決めつけないほうがよいと思います。

便潜血陽性の際の精密検査は大腸内視鏡検査を行うのが一般的です。大腸進行がんでは大部分の方で便潜血陽性となりますが、進行がんであっても便潜血陰性となることもあります。便潜血が陰性であっても症状(下痢と便秘、腹部膨満、腹痛など)がある場合は精密検査を考えるべきと思います。

 
 
 

 
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