肛門の病気:痔について

痔疾患は大きく分けて@痔核(いぼ痔)、A痔瘻(あな痔)、B裂肛(きれ痔)に分けられます。最も頻度が高いのは痔核で、肛門疾患で悩んでおられる方の多くは痔核です。痔核は男女差がありません。痔瘻は男性に多く、裂肛は女性に多い特徴があります。痔核と裂肛について説明していきます。

@痔核(いぼ痔)

痔核は肛門内の血の流れが悪くなり、うっ血した状態です。血管が拡張して膨らみ、痔核となります。肛門に負担がかかることを避けましょう。具体的には、トイレの時間が長い、排便時にいきむことが多い、座りっぱなしや立ちっぱなしの生活が続く、アルコール類や刺激物(こしょう、からし、わさびなど)を過度に摂取する、などが原因となります。女性では妊娠や出産が原因となることがあります。人間は肛門が心臓より低いところにあるため、うっ血して痔になりやすいです。四つ足の生物は痔になりにくい生物です。

 痔核は、肛門の奥にできる内痔核と肛門皮膚にできる外痔核に分類されます。主な症状は排便時の出血です。内痔核が大きくなってくると肛門外に脱出するようになってきます。肛門外の膨らみは内痔核が脱出した場合と外痔核が膨らんだ場合があります。痛みを伴いやすい痔核は外痔核です。外用薬(坐薬や軟膏)や内服薬で治療できる方が多いですが、程度の強い方は手術などの治療となります。

A裂肛(切れ痔)

硬い便や頻回の下痢によって肛門が裂けて傷が生じます。症状は排便時の痛みや出血で、排便後にも痛みが持続することがあります。便通を整えることが大切です。外用剤(坐薬や軟膏)によって治療することが多いですが、裂肛を長期に繰り返していると肛門が狭くなって手術が必要となることがあります。

 
 
 

 
TOPページへ